好奇心の記録

「言葉」をデザインする西澤薫の、日々の気づき。

冬でも一切コートは着ない?!

コートを着ない冬

 

僕は、冬でもスーツの上にコートは着ない。

今年の冬も、持ち合わせている1回も着なかった。

 

だから、周りの人からめっちゃ寒そうに見られる。

「なんでコート着ないんですか?」
とよく聞かれる。

 

「寒くないんですか?」と聞かれることもよくある。

ここで断っておくが、答えは当然、寒い。

コート着てても寒い日もあるのだから、寒くないわけがない。


そして、寒いからこそ、コートを着ないのだ。

 


寒いを味わう

 

日本の冬というのは、他の国にはない特別なものだと思っている。
日本には四季があって、季節ごとに温度も風も、葉の色も変わる。

日本はめちゃくちゃ暑い日もある一方で、冬の寒さがあるというのが特別なのだ。


それは日本の風情だと思うし、日本で暮らしている以上、そうした風情を全力で味わいたいと思っている。


寒さを感じるのも、そのひとつだ。
冬は、寒い。

とりわけ、1月の終わり頃は特に寒い。
そうした日本ならではの冬の味わいを、コートを着ていては味わいづらくなってしまう。


「なんでコートを着ないんですか?」
の答えは、これだ。
「せっかくの風の冷たさを感じないからです。」


寒い季節には暖かくするっていうのは、普通の考え方。

寒い季節には、最大限寒さを味わうこと。

それを楽しむために、コートは邪魔なのだ。

 

 

季節を敏感に感じとる


昔の人たちは、ちょっとした季節の感じ方の違いを敏感に感じ取り、そこに名前をつけていた。

そこには、暑い、寒い以上の複雑な区別があって、それを区別できることに、彼らなりの豊かさがあった。


ちょっとした体感覚の違いに名前をつける発想はものすごく豊かだし、世界をより深く味わっている感じがする。


僕はこれからもコートを着ないだろう。
それはもちろん、より深く日本を味わうために。