好奇心の記録

「言葉」をデザインする西澤薫の、日々の気づき。

どんな言葉を使うかで、世界の見え方が変わる科学的根拠

世界の捉え方と言語

 

WIRED でこんな記事を見つけた。

 

使う言語が「世界の見え方」を決めている:研究結果|WIRED.jp

 

バイリンガルの行動と周りの世界の捉え方は、その瞬間に話している言語に依存する。そして彼らは、使用する言語を変えると、同時に行動や物事の捉え方も変化させるというのだ。

研究では、ふたりの人物がまったく同じ出来事を目撃しても、その捉え方は各々が使う言語によって異なるということも明らかになった。


言語と文化は互いに密接に関係していることが科学的に証明された。

我々の世界の捉え方は、話す言語に大きく影響を受けるのだ。

 

 

能力と言語

 

別の例を紹介しよう。

 

サイエンティストであるレラ・ボロディスキーが、TEDにおいて、「言語はいかに我々の考えを形作るのか?」というテーマでプレゼンしている。

https://www.ted.com/talks/lera_boroditsky_how_language_shapes_the_way_we_think/transcript?language=ja%20

 

オーストラリアの アボリジニの話から始めましょう。これはクウク・サアヨッレ族の人々です。・・・

クウク・サアヨッレ語の 面白いところは 「左」や「右」という言い方はせず、あらゆることを東西南北の方角で言い表すことです。・・・

「あら 南西の脚にアリがいるわよ」 みたいな言い方をするんです。あるいは「コップを少し 北北東にずらして」とか 挨拶にしても クウク・サアヨッレ語では 「どちらの方に行くの?」と言いそれに対する答えは 「ちょっと北北東の方へ あなたは?」という具合です。

 

こうした言語文化は、彼らの方角に対するセンスを引き上げている。

実際、彼らは、いつどこに立っていようと、北がどっちかすぐに分かるのだ。

能力と言語にも密接な繋がりがある。

 

 

会社の文化と言葉

 

僕が「すごい会議」という会社でやっていたことは、まさに会社内で扱われる言語を変えることを通して、会社の文化を変えることだった。

 

例えば、普段から「お客様に断られちゃいました」という言葉を使っている会社と、

「お客様に魅力的に伝えきれませんでした。」という言葉を使っている会社では、組織の文化が全く変わってくる。

組織の文化と成果には大きな関係がある。

 

もし、今の成果に満足いってないのなら、最初に変えるべきは能力ではない。言葉である。

そして、世界を理解する時には、言語を知ることから始めるべきだ。