好奇心の記録

「言葉」をデザインする西澤薫の、日々の気づき。

粘り強さがあることで成果が出ない?!

粘り強さは素晴らしい

 

ある会社様で、若手社員の話になった。

「期待しているのは、Aくんなんですよね。粘り強さは、社内の誰にも負けない子で。この前も、『一件アポ取れるまで帰りません!』って言って、会社に泊まって夜中まで活動していましたから。」

 

粘り強くあきらめず取り組んでくれる人は成果を出す可能性が普通の人より高い。

他のメンバーへの示しにもなるので、会社にとっては貴重な存在であることが多い。

かくいう僕も、粘り強さのある人は本当に尊敬する。

僕は粘り強さの全く無いような人間なので、そういう人が仲間になってくれたらめちゃくちゃ嬉しい。


粘り強さという勝ちパターン

 

ただ、尊敬はしつつ、何人かそういう人の中でも「粘り強さが足引っ張ってるんじゃないかな。」と思う人がいる。

それはまさに、粘り強さが弊害になっている状態だ。

 

結論から言うと、「粘り強さ」のおかげで、IQが低くなっているのではないか、と。

 

どういうことか?
粘り強さのある人は、「粘り強さ」による勝ちパターンを持っている。

粘り強い人は、動いて問題解決するので、100件動いて成果が出なかったら、200件動く気概を持っている。

彼らにとって「手と足を動かすこと」は全く苦ではないので、他の人よりも大量行動ができる。

 

もちろん、それは彼らの素晴らしい才能であり、目標必達の世界においてそうした行動原理の人の方が評価されるのは確かだ。

同じ時間で30件電話して2件アポイントが決まった人と、300件電話して10件アポイントが決まった人だったら、後者の方が評価されて当然だろう。
僕だって経営者だったら、そういう人を重宝する。


実際、成果も分かりやすいので羨望される。

頭使って成果出した話は冗長になりがちでいまいちぴんとこないことが多いが、

「寝ずに頑張りました!」

「他の人の10倍電話しました!」
というのは、分かりやすくインパクトもでかい。

 

粘り強さ以外で勝てない


それが何を起こすか?

彼らは頭を使わなくても、努力で成果を出してしまう勝ちパターンに満ちているのだ。
だからこそ、頭を使うよりも、さっさと足を動かした方に意識が向く。


それが彼らの強みであるけれど、その場合、足を動かして問題解決することに限界が来た時が大変だ。


手と足だけではどこかで限界が来てしまう。


足と手は必要だが、最終的には重要ではない。
頭と口は必要ではないが、重要である。

 

粘り強さに頭も付いている人には、勝てる気がしない。